第39回 東京国際映画祭 ゲストによるスペシャルインタビュー:行定勲

映画監督・行定勲が

RGB Mini LED 液晶レグザ「ZX1S」を体験

 


©2004「世界の中心で、愛をさけぶ」製作委員会
 
「映画観るなら断然レグザ!」を掲げる映像機器ブランド・レグザのフラッグシップモデル・RGB Mini LED 液晶レグザ「ZX1S」を、映画監督の行定勲が体験。
自身の監督作「世界の中心で、愛をさけぶ」「リボルバー・リリー」をRGB Mini LED 液晶レグザ「ZX1S」で観返しながら、色や光の圧倒的な再現力を作り手の視点で語ってもらいました。
 

取材・文 / 岡本大介 撮影 / 清水純一

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レグザのフラッグシップモデル・RGB Mini LED 液晶レグザ「ZX1S」でご自身の監督作「世界の中心で、愛をさけぶ」のDVDをご覧いただきました。率直な第一印象からお聞かせいただけますか?

驚きましたね。この作品は、今までDVDや配信で何度も観ていたはずなのに、印象が全然違いました。光が強くて一番明るいハイライトの部分って、普通のテレビだとどうしても色が滲んだり、白く飛んでぼんやりしてしまったりするんですが、それがあまりない。太陽の照り返しでパチパチしているところの光の動き方なんかは特にすごいですね。情報を見落とさずに、しっかりと際立たせてくれることに感心しました。
 




2004年公開の作品ですが、レグザの高画質化処理技術によって、DVD映像でも見違えるようにフィルムの質感が引き出されていますよね。


そうですね。しかも、ただ解像度が高いというだけではなく、表現としての奥行きがしっかりとあるのが魅力ですね。僕は演出するうえでも、被写体の奥にある“抜け”の臨場感がちゃんと見えているかをいつも意識しているんですが、このテレビはそこをしっかりと受け止めて体現してくれていると感じました。
 
 
 
 
 
映画の制作時には、映像の色調や明るさはマスターモニタ(※作品において基準となる映像を映し出す高精度のモニタ)で確認しながら作られていますが、それが家庭のテレビでどう映るかというのは長年の課題だったと思います。

僕ら作り手はマスモニを信じて完成形を確認するわけですが、いざ家庭のテレビで観てもらう段階になると、家庭ごとの調整で色調が変わってしまいます。「本当は深紅に見せたいのに、どうしても朱色に見えてしまうんだろうな」というように、自分の見せたい映像は映画館のスクリーンじゃないと100%は伝わらないと、どこかであきらめざるを得ない部分があったんです。
 
 
 
 
 
なるほど。しかし今回のRGB Mini LED 液晶レグザ「ZX1S」ではそのギャップをあまり感じなかったと。

はい。このテレビなら、本当に赤を赤としてきっちりと再現してくれる。家庭用テレビという二次的な場で、映画館の臨場感や光を発生させているのはすごいことですよ。「これなら自分の意図がちゃんと伝わる」という安心感がありますし、もうあきらめなくていい時代が来たんだなと。
 
 
 
 
 
「世界の中心で、愛をさけぶ」が撮影された当時の35mmフィルムの情報量に、現代のデジタル技術やテレビがようやく追いついてきたという感覚はありますか?

それはすごく実感できます。公開からもう20年余りが経ちますが、当時のデジタルの技術だと、まだ35mmのポテンシャルには追いつけなかったんです。でも今は技術がフィルムに追いつき、さらにテレビを通してまたちょっと違う表現すらできるようになっていて。映画を観終わって真っ先に思ったのが、「早く自分の作品を全部4Kリマスターしたい」ということ。そうなればほぼ映画館と遜色ない映像にたどり着くのではないかと、「ZX1S」にはそれくらいのポテンシャルを感じました。

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RGB Mini LED液晶レグザ「ZX1 series ZX1S」を体験する行定勲

レグザの開発技術者たちも、「映画制作者の意図をありのままに再現する」ということには並々ならぬ情熱を注いでいるようです。

それは今回すごく感じました。DVDのような一世代前のメディアであっても、それを単なる過去のものとしてあきらめるのではなく、「なんとかすくい上げて、もっと上のポテンシャルを見せよう」という、開発者たちの執念のようなものを感じます。もし今の最新の技術でリマスターされたものを「ZX1S」で観たら、それこそマスターモニタで見ていた映像すら凌駕する可能性もあります。




今日はもう1本、「リボルバー・リリー」のクライマックスのアクションシーンも観ていただきました。最新のRGB Mini LEDによる色彩や明暗の表現はいかがでしたか?


色の発色が本当にすごいですね。劇中に出てくる赤い帽子のリボンも、ピンクや朱色に寄ることなく、強い光のなかでもきっちりと「深い赤」として表現されていました。この作品は、僕が子供の頃に観た1970年代から1980年代の角川映画が持っていたような、ちょっと荒唐無稽でポップだけど重厚感もある、あの独特のヒロイン像やエンタメ感を目指していたんです。映像のトーンも含めて、当時の空気感を今の機材で表現しようとしたんですが、その狙いがちゃんと画面に落ち着いているというか、再現されているのを感じました。
 
 
 
 
 
霧の中で銃撃戦が繰り広げられるクライマックスは、特にこのテレビの真骨頂であるハイコントラスト(暗闇の黒の沈み込みと、閃光の眩しさ)が生きるシーンでした。

あのシーンはスモークではなくて、長野にいる霧の芸術家の方を呼んで、水分でできた本物の霧を作ってもらって撮影しているんです。周りは水浸しになるし、服もびしょびしょになるんですけど(笑)。その霧の中で、相手が見えないまま発砲の光だけで敵の存在を判別する、という意図で撮っています。だからこそ、あのマズルフラッシュ(銃口の火花や光)のディテールが一瞬でもしっかりと情報として入ってくることが重要なんですが、RGB Mini LED 液晶レグザ「ZX1S」はそこをまったく見逃さないですよね。

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RGB Mini LED液晶レグザ「ZX1 series ZX1S」の映像美に見入る行定勲

普通のテレビだと、暗闇の中の明るい光はどうしても白く飛んだり、全体がグレーっぽく浮いてしまったりしがちですが、RGB Mini LED 液晶レグザ「ZX1S」では漆黒の中で火花だけが鋭く刺さるように見えました。

そうなんです。普通なら潰れてしまいがちな光の細部まで、情報としてきっちりと見せてくれる。「世界の中心で、愛をさけぶ」のたき火シーンの照り返しの揺らぎなどもそうですが、現場のスタッフがあえて手を掛けて作ったディテールを、フラットにせずにむしろ強調して見せてくれる。それは視覚的な衝撃でもありましたね。スクリーンでは見逃してしまったかもしれないものが、ここでは見られるんじゃないかと思わせてくれました。

映画館で一度観た作品を、このレベルのテレビでもう一度家庭で観返すことの意味について、監督はどうお考えですか?


今日、RGB Mini LED 液晶レグザ「ZX1S」で過去の自分の作品を観返していた際、撮影時にスタッフと話していたことをたくさん思い出したんですよ。「ああ、当時の僕は現場でこういうことを考えて選択していたんだな」ということを改めて再発見できたというか。初期衝動に駆られるままに作っていたので今となってはすっかり忘れていたことも多くて、それは映画館で観るのとはまったく違う体験でしたね。
 
 
 
 
 
どう違うのでしょうか?

映画館での鑑賞というのは、作品の空気にのみ込まれながら、1つの流れとして“衝動”を受け取る体験だと思うんです。でもRGB Mini LED 液晶レグザ「ZX1S」のようなクオリティの高いテレビで観るというのは、もっと哲学的な解釈になるんですよ。映画そのものを感じて理解するのは劇場だけれど、作品のディテールを読み解き、それが何を表現しているのかを解釈するのは、自宅のテレビで二次的に受ける体験のほうなんです。
 
 
 
 
 
なるほど。映画館の暗闇で感情を揺さぶられるのが一次体験だとすれば、家庭のテレビでは、作り手との1対1の濃密な対話が生まれるということですね。

そうです。だから映画館と配信やディスクで観る体験は、対立するものではなく別物として考えたほうがいいですね。劇場で出会った感動に、今度はディスクや配信を使って、もう一度出会い直す。新作を観るかのように、「こんな表現が隠されていたんだ」と新しい発見をする。先ほど観た「世界の中心で、愛をさけぶ」もそうでしたが、RGB Mini LED 液晶レグザ「ZX1S」では昔の映画でも古く見えず、時代の境界線をなくして楽しめますから、それは本当にすごいことだと思いますね。

■プロフィール
行定勲(ユキサダイサオ)
1968年8月3日生まれ、熊本県出身。助監督として岩井俊二やハル・ハートリーの作品に参加後、1997年に「OPEN HOUSE」で長編映画デビュー。2000年に発表した長編第2作「ひまわり」で第5回釜山国際映画祭国際批評家連盟賞、2001年公開の「GO」で第25回日本アカデミー賞最優秀監督賞を受賞した。2004年には映画「世界の中心で、愛をさけぶ」が大ヒットを記録し、その後は「北の零年」「パレード」「ナラタージュ」「リバーズ・エッジ」「劇場」「窮鼠はチーズの夢を見る」「リボルバー・リリー」などを手がけた。また、2024年には韓国ドラマ「完璧な家族」の演出を担当し、2025年12月にはスピッツの楽曲をモチーフにした監督作「楓」が公開された。故郷である熊本の震災復興にも尽力し、震災前にオール熊本ロケで制作した映画「うつくしいひと」を機に、2017年より「くまもと復興映画祭」のディレクターを務めている。
 
 


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